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杉錦 生酛純米ひやおろし 発売

 秋の商材として「杉錦生もと純米ひやおろし」のご案内をいたします。

 江戸、明治の頃の酒は精白がかなり低く、木桶を使った生もと仕込みでした。衛生環境も悪かったので出来た酒は酸度が高く、木桶や酒袋のクセや乳酸菌による香りがあり、新酒の時は香味が粗く飲みにくかったと思われます。それが土蔵でひと夏を越して朝の空気がひんやりする頃になると熟成によるフレーバーで味と香りに深みが増し、まろやかさが増しておいしくなったと思われます。

 現在の日本酒は新酒の時から昔のような欠点は無く、やわらかで飲みやすいのが特徴です。逆に吟醸香のように熟成で減少してしまう成分を多く含んでおり、老香は敬遠される事が多いので低温貯蔵で酒を若く保つ事が主流になっています。

70%生もと純米ひやおろし写真web「杉錦生もと純米ひやおろし」は70%精米の一般米を使った生もと純米酒です。特に酸度を強調するような造り方はせず、一般的な仕込み方法で造りました。

現代の酒としては少し酸味があり素朴な味わいです。きれいさや軽さを優先する現代的な本醸造や高精白の純米酒とくらべると熟成による独特のコクとフレーバーがあります。この点が昔の時代の冷おろしと同じく、この酒の特徴です。冷酒でもいいですし、燗にも向きます。秋の商材としてよろしくお願いいたします。

(2014年11月に初しぼりとして発売した酒を熟成させたものです。)

投稿日時:2015年9月10日(木)│
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