生酛（生もと）・山廃・菩提酛（菩提もと）に特化した酒蔵
純米みりん、米・芋焼酎も造る

　４月２１日に今造り最後の清酒モロミを舟に乗せて皆造（全て造り終える）になりました。同じ日に味醂の仕込も終了しました。

毎年の事ですが、気候も春めいてくるこの頃、少し気持ちと体が楽になります。

　但し、ゴールデンウイーク明けには焼酎の仕込もあり、イベントのほか経営者としての雑務はいっぱい溜まっているので、なかなかゆっくりできません。

　とにかく、事故、けが無く無事に造りを終えることができて良かったです。

　今年は造りの終盤に、静岡県新酒鑑評会の「吟醸部門」「純米吟醸部門」両部門で第一位県知事賞という思いがけない出来事がありました。私の関心は最近、吟醸系の酒よりも低精米の生酛・山廃系の造りに向いていたのですが、改めて酒造りの基本として吟醸造りもしっかり続けていこうと思いました。

　また生酛・山廃系の造りでは野生酵母が入る為か、酸の出かたやモロミの醗酵の勢いなど、予定よりずれる場面もあり、改めて生酛系酒母のむずかしさを感じる事もありました。

　全般としては今年は昨年の山田錦のように米が溶けすぎるというような事もなく辛口で酸の利いた酒になったと思います。純米大吟醸と初搾りなど一部の酒を除いて出荷はまだ先になると思いますが、今年の酒も楽しみにしていてください。