ブログ

2018年 1月仕込再開 (純米大吟醸)

188 純大酛 面 純吟酒母 並び 杉井酒造では毎年12月は仕込を休んでいます。 12月には酒母を立てておいて、正月明けから仕込を再開しました。最初の仕込みは「生酛純米大吟醸」速醸の「純米大吟醸」そして速醸の「純米吟醸」を2本です。

 これらの吟醸酒では麹造りは全て「麹蓋」といわれる1.3kgくらいの米を盛るトレイを使っています。10kgくらいを盛る「麹箱」でも金賞レベルの麹は造れるのだと思いますが、ここは「麹蓋」で造る事にしています。やはり「麹蓋」に吟醸造りの原型があるように感じて。敢えて手のかかる手法で造っています。

 麹蓋での麹造りは南部杜氏がいた頃、杜氏さんのやりかたを少しは見ていたのですが、ちゃんと習った事はありません。また工程の終わりに近い「しまい仕事」以後はあまり高く積まない少し簡略化した方法で造っています。

 それにしても、10kg盛りの”麹箱”とくらべて”麹蓋”を使う麹造りは ”盛り”や”仲仕事” ”仕舞仕事”といった操作の手間が、枚数が多いだけにずっと多くなります。また”盛り””仕舞仕事”の他に”積み替え”と言って数段に積んだ麹蓋の上部と下部の温度差を均一化する作業が必要です。

 普段の麹箱を使った麹造りでは夜の9時から10時くらいに仕舞仕事をすれば、朝まで寝ていられるのですが、麹蓋を使った吟醸麹造りでは夜中の1時から3時くらいに仕舞仕事をするので、夜中に起きなければならないのがつらいところです。

 麹造りは、その年の米の硬軟、洗米での糠の除去程度、洗米時の吸水歩合、甑での吸水、蒸米の麹室での乾燥時間、その間の室の湿度、さらし時の蒸米の厚さ。麹菌の散布量、などなど変数の要素が多すぎて何回やってもベスト条件がどの組み合わせなのか迷いがあります。

 酒造りを始めて以来、より良い方法を求めていろいろ試してきましたが、杉井酒造の設備では良い成績を取れた年のやり方は、それ程蒸米を乾かしたり、種を減らして長時間かけて造った麹ではないようです。だいたいは55時間程度で造っています。

 最初に仕込む「生酛純米大吟」「純米大吟醸」は麹米が40%です。まずはこの麹をしっかり造ろうと思います。

投稿日時:2018年1月9日(火)│
ENTRY
ARCHIVE