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最近の酒つくりの方法

青ビニール手袋  何の業界でもより良い商品を作るための厳しい競争がありますが、日本酒業界でもより良い酒を造ろうという競争は留まるところをしりません。より良い酒といった場合、ほとんどの場合、現代的なフルーティーできれいでフレッシュな酒を目指している事が多いと思います。また実際このタイプの酒がマーケットでも一番受け入れられているようです。

 昨年、他の蔵元さんと話をしていて教えてもらったのですが、ここ数年、麹を造るときに微生物汚染のレベルを下げるために、使い捨てのビニール手袋をつけて作業をすることが広まっているそうです。暖かい室の中で育てる麹は微生物汚染を受けやすいので、作業のときは服を着替え、手を洗うのは常識なのですが、さらに進んでそこまでやるようになった事に驚きました。

 きれいな味の酒にする為には、”袋クセ”といわれる搾るときにつけるクセとともに麹の微生物汚染からくるクセは大きな要素なのでこの方法は酒の味をきれいにするために効果があると思います。

 もう一つ最近使われる事が多くなっているものにグルコアミラーゼといわれる糖化酵素の極端に多くなる麹菌があります。いい香りを多く出すためにはこのグルコアミラーゼガ多くなるような麹つくりをします。その為には米をよく洗って米の表面をきれいにするともに、蒸米の水分を少なめにして長い時間をかけて麹を造ります。

 ところがこの新しいタイプの麹菌を使うとそんなに手を掛けない麹造りでも簡単にグルコアミラーゼの高い麹を造る事ができます。

 これらの新しい手法を使えば、そんなに手間を掛けたり、高精白のお米を使わなくても、比較的手ごろなお値段で現代的な吟醸酒の香味をもったお酒が造れる事になります。

 このタイプのお酒は杉錦が造っている生もと・山廃の酒つくりと方向性は異なりますが、吟醸つくりが盛んな静岡のお客様からは支持されるのではないかと考えて、今年の造りではお試しに1本造ってみる事にしました。

 60%精米の”誉富士”と静岡酵母HD-1を使った速醸酒母の純米酒です。どんな商品名にするのか、夏の季節品にするのかとか企画はできていないのですが、まずはモロミは発酵中です。

 5月か6月頃には発売したいと考えています。60%モロミつら

投稿日時:2018年2月15日(木)│
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