外国からのお客様
2月は香港とオーストラリアからの見学がありました。得意先の酒店さんや飲食店さんの見学希望は、お酒への理解を深めて頂くとともに、信頼関係を築くために可能な限りお受けしています。
4日来られたのは香港で7か月前から「八百萬屋」という日本酒とお茶のお店を始められたというアリスさんとカルマンさんです。親しくされている沼津の矢田酒店の矢田ご夫妻と一緒にご来店されました。
アリスさんによれば香港のスパイシーな料理には味のしっかりした生もと・山廃の酒がよく合うそうです。カルマンさんは淡麗なタイプのお酒がお好みで杉錦の純米大吟醸と特別本醸造を買っていかれました。
香港は家賃が目の玉が飛び出るくらい高いのが難点で、お二人のお店もとても小さいのですが、商品はしっかり冷蔵管理してあるので、まずい日本酒を飲んで悪い印象をもっていた人がおいしい日本酒を味わって驚く事があるそうです。
お二人のように日本酒販売ビジネスに夢をもって未開拓市場に挑戦する若い人が海外に現われてきている事をとても嬉しく感じました。
13日にはオーストラリアからレストラン関係の方たちが来社しました。皆さん日本食レストランではなく洋食のお店です。前にも紹介した京都で日本酒バーを営んでいるヨラムさんと、ヨラムさんからお酒を輸入しているマット・ヤングさんのお客様が総勢7人でおこなう酒蔵ツアーの中で立ち寄ってくださいました。
日本酒の酒蔵は初めての方がほとんどでしたが、皆さんとても興味をもっておられるようで、いろいろ質問も出て、普段の見学より詳しいレベルで説明する事になりました。
きき酒では10種類以上のお酒を並べたのですが、全ての品について原料米の種類、精白歩合と一緒に味わいについてしっかりノートを取られた方が何人かいて、日本酒を勉強しようという意欲の強さに驚きました。
お酒は淡麗な純米大吟醸からコクのある純米酒、そして杉錦らしい天保十三年や八十八のような酸があって熟成している順に並べたのですが、ある方が後のほう並べたお酒を指してこっちのお酒の味わいが深みと複雑さがあっていいですねと指摘してくれたのは”我が意を得たり”でうれしく思いました。
実際には洋食レストランで日本酒を注文してくださるお客様はわずかだと思いますが、将来を期待させるご来訪でした。世界に通用する日本酒を造っていきたいと改めて思いました。