蔵マスター 純米部門 杉錦天保十三年 トップ5入賞
5月28日にフランスで開催された日本酒のコンテスト「蔵マスター」の純米部門で杉錦の「天保十三年」がトップ5の酒に選ばれました。
蔵マスターHPは下記アドレスです。
https://kuramaster.com/ja/concours/comite-2018/laureats/
蔵マスターは2017年から始まった日本酒のコンクールです。開催者によれば「これはフランス人によるフランス人のためのフランスの地で行う、日本酒のコンクールです。同時にフランスの歴史的食文化である”食と飲み物の食べ合わせのアバンチュール”を、日本酒という観点からみて、実際に体験して頂く場としての重要性をもたせ、フランス的にロジックに判断していただくことでフランス市場における日本酒をアピールする場を提供します。審査員は、フランス人のソムリエ、レストラン関係者、ホテル・料理学校関係者などのプロフェッショナルな方を中心に構成致します。」とあります。
現在の日本酒のマーケットで酒を評価する場合、高精白の原料米を低温発酵させる事により雑味が少なく、低酸で吟醸香のあるフレッシュな味わいの吟醸酒を最高とする評価基準が主流です。純米酒や本醸造もこの評価基準にそって如何に吟醸酒的に造ってあるかで評価される事が多いと思います。
今回純米部門トップ5に選んで頂いた「天保十三年」は上記のような価値観に捉われず、「低精白、高い酸度、熟成感、雑味を含む複雑な味わい」という現在の価値基準の逆をいく品質設計をした酒です。
日本人の審査員からは良い評価をもらいにくいこの酒をフランスのワインのプロフェッショナルが高く評価してくださった事を大変うれしく思います。
赤ワインは日本酒とくらべ大変酸味が強く、糖分は少なく、渋味を含むたいへん複雑な味わいです。この赤ワインを知っている審査員の皆様が上記のこの審査会の趣旨にそって「天保十三年」を選んでくださった事はこのタイプの日本酒が食中酒としても世界で通用する事を認めてくださったという事で大変うれしく思います。実際の審査は品温14度℃でワイングラスでおこなったそうです。
山廃造りで熟成した天保十三年のような酒は日本では燗酒用の酒という事になっていますが、冷やしてワイングラスで味わってもいろいろな料理と合わせられるという事になります。
天保十三年の味わいは、淡麗辛口、吟醸スタイルの酒に親しんでいる皆さまにはビックリする味わいかもしれませんが、この機会にぜひ一度お試しください。