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杉錦の酒造りについて

 清酒は既に長い間、凋落傾向に歯止めが掛からず、低迷から脱する事ができません。
原因はいろいろ議論のあるところですが、やはり単純に考えれぱ多くの人たちが清酒は飲んでも美味しくない、魅力がないと感じているからに違いありません。

 けれども日本の長い歴史と伝統の中で育ってきた民族の酒である清酒には必ず、自ずと備えている、味わいと、美味しさが可能性として宿っているに違いありません。

 現在の清酒が業界の長年の努カにもかかわらず、なかなか元気にならないとしたら自分たちの造っている清酒の多くがまだ清酒の持つ本来の味わいを充分に実現できていないのではないかと考え、酒造りの方法を探っています。

 その視点から弊杜が最近、最もカを入れているのが山廃と生もと造りの酒です。吟醸酒は近代の酒として、昔の酒にはなかった吟醸香と爽やかで飲みやすい酒質によって、清酒の可能性の一つを実現しました。良い吟醸酒を口にしたことのある消費者は、日本人全体の中ではまだまだ小数派でしょうから、良い吟醸酒を造り、紹介していく事で清酒のファンはまだまだ開拓できるはずです。

 しかし、良い吟醸酒はどうしても価格が高くなり、蔵元にとっては手間がかかり、コスト高の割には粗利益が少なく、たくさん造れないという欠点があります。山廃、生もとの酒は酒母造りには手がかかりますが、麹は吟醸麹にする必要もなく、原料米は高精白にしなくてもいいので、普段飲む酒として価格が手頃で、飲みあきしない味わいのある酒が造れると思います。弊杜は山廃、生もとの造りはまだ3年の経験しかありませんが、今後最も力をいれていきたいと考えています。

カプロン酸エチルの高い酵母は今年より全廃し、静岡酵母で吟醸酒を造っています。

吟醸酒、純米酒は原則、活牲炭は全く使用しません。酒本来の持ち味を生かしたいと思います。

清酒の他、味琳、焼酎も造っています。焼酎は現在、試験製造、限定試験販売中です。

投稿日時:2006年3月31日(金)│
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