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夏の純米吟醸5月18日 発売開始しました。

夏の純米吟醸写真2015BYJPG 今年も夏酒として速醸の純米吟醸を発売いたします。静岡酵母HD-1を使った現代的でクセのない飲みやすいタイプの純米吟醸です。

今年は山田錦が溶けないとの予想どおり粕歩合は54%と高めで日本酒度+7とすっきりした味わいになりました。モロミ経過は極めて順調で終盤までよく切れるモロミでした。麹の分析値も良好で静岡型のシャープで酸の少ない純米吟醸になったと思います。静岡吟醸の育ての親である河村伝兵衛先生の吟醸造りでは麹はツキハゼ、掛米は蒸上がり後仕込まで数時間放置して硬めに仕上げ、米の溶けを抑えて日本酒度をよく切らせ軽くすっきりした味わいに仕上げるという贅沢な造りでした。今回はその設計図に忠実な造りになっていると思います。いわゆる現代的な吟醸酒の味わいですので、幅広く多くの皆様に楽しんで頂ける味わいです。

  吟醸酒の定義は精米60%以下に磨いた原料米を使って“吟醸造り”をした酒という事になっていますが、この“吟醸造り”には明確な定義がなくあいまいです。古典的吟醸造りでは原料米を全て10kg程度ずつ吸水管理を厳密におこないながら手洗いします。麹は蒸し米の水分が適切な値になるまで麹室で数時間乾かした後、種を振り二日目からは麹蓋という米一升程ずつ入れる箱で厳格な温度管理をしながら造ります。搾りはクセを付けるのを避けるためヤブタという自動式の機械ではなく酒袋を使った船という搾り機を使います。そして火入れは冷酒をビン詰めした後、熱湯に20分程漬けておこなうビン火入れ方式です。以上の方法はとても手間がかかるのですが夏の純米吟醸を含め杉錦の純米吟醸酒は全てこの方式で造っています.吟醸造りの技術の伝承と蔵人の技能、酒造りへの姿勢を高いレベルで保つためにもこの方法は残していきたと思います。

     杉錦 夏の純米吟醸(5月18日発売予定)

          麹米・掛米 兵庫県産山田錦 50%精米

           アルコール度 15.5%

           日本酒度+7 酸度1.4 アミノ酸1.1

           使用酵母 静岡 HD-1

                   希望小売価格(税込み)

                   3,850円/1.8㍑

                   1,870円/0.72㍑  

 

投稿日時:2020年5月1日(金)│
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