生もと・山廃造りはなぜ少数派になったのか?3
生もと・山廃造りが減ってしまった原因の一つ手間暇に(コスト)がかかるという事があります。もう一つの理由は速醸もとにくらべて失敗のリスクが高い事があると思います。
現在一般的な速醸もとは、しっかりできた麹、よく蒸した蒸米、水、乳酸と酵母を酒母タンクの中に入れれば、まず間違いなくモロミを順調に醗酵させる事のできるレベルの酒母になります。問題のおこる酒母になる事はまずありません。
それに対して生もと・山廃酒母はいろいろ問題の起きるリスクがかなり高くなると思います。
酒造の教科書には良い酒母の条件として
① モロミ初期に雑菌の活動を抑えるのに必要な乳酸を充分な量含む事。
② モロミを健全に醗酵させる優良酵母(添加した純粋酵母)を必要量含む事。
③ 有害菌(主に乳酸菌)を含まない事。
④ 香味が良好である事。といった事が載っています。
生もと・山廃酒母では以上の内 ②、③、④で問題が起こる事があります。
その詳細については次回書きたいと思います。