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生もと・山廃造りは何故少数派になったのか?6

IMG_0998 生酛・山廃造りの問題が起こりやすいところを書いてきましたが、最後に良い酒母の条件の④として挙げた「香味が良好であること」の問題について書きます。

 生酛・山廃酒母はヨーグルトやセメダインのような香りがしたり、その他表現が難しいですが、汚れた感じの香りがつく事があります。酒母はモロミ全体の7%くらいしか使いませんが、これらのクセがモロミになっても残り、最終的に酒に残る可能性があります。

 これらのクセは生もと・山廃酒母の前半に繁殖する乳酸菌を含むいろんな菌がつくります。ヨーグルトの香りは乳酸菌が主に生産します。セメダイン様のにおいは「湧き遅れ」といって酒母のアルコール発酵が遅れると出やすいようです。その他汚れた感じの香りがつくときはなにか余分な菌が繁殖しているようです。

 速醸酒母では酵母菌以外の菌はほんの少ししか繁殖しないので、上記のようなクセをつけず育てる事ができます。

 これらのクセは吟醸酒で特にオフフレバーとして嫌われます。鑑評会の出品酒についていれば落選間違いなしです。純米酒でも現代の淡麗すっきりを好む嗜好には合いません。

 以上 のような理由で生酛・山廃造りは少数派になってしまったようです。

 では生酛・山廃造りのおいしさ、利点はなんなのか?そのへんを次回から書きたいと思います。

 

投稿日時:2015年12月30日(水)│
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