生酛・山廃造りの良さは何か?1
生酛・山廃造りの良さは生酛・山廃造りがここまで少数派になってしまった事実を考えると、ある意味微妙というか、あまり明確ではっきりしていないというか、絶対に必要ともされていない事柄といえるかもしれません。速醸酒母で造っても、おいしい酒ができるし醗酵管理に特に問題はないわけです。
生酛・山廃造りの良さは主に二つの要素に分けて考える事ができると思いますが、
① お客様から見た味わい、おいしさ、の要素 と ② 造る側の造りやすさ、醗酵管理のしやすさ
の面があり二つの要素は関連があります。
酒に限らず伝統工芸品の手触り、味わいの微妙なところは伝統的な手法を採用するかしないかで確実に生じていると思います。
この部分を見分けて、評価してくださるお客さんがいないと何の業界でも伝統的な製法は廃れてしまいます。
幸い日本はかなり豊かになって大量生産や合理化、簡略化した製法による物では飽き足らず、良いものも見分けて、要望するお客様がいらっしゃるので、何の業界でもこの分野が成立するのではないでしょうか?
(ただし時々、それほど良くない品物を高級品と偽って高く売る商売をする人がいますので注意は必要ですね。)
次回から具体的に生酛・山廃の味わいの点について書きたいと思います。