4月は味醂の仕込みをしています。
4月は味醂の仕込をしています。酒のモロミは4月15日に最後のもろみを舟に乗せて終わりました。タンクには生酒がまだいっぱい残っていますが、空いたタンクへ味醂を仕込んでいます。
味醂の仕込は蒸米(もち米)と麹 米焼酎を清酒のように三段にわたってタンクに仕込んでいきます。モロミ中での酵母の増殖の必要のない味醂モロミは一段仕込でもいいのですが、洗米、蒸し、放冷、投入の作業量に限りがあるので三段仕込です。
特に蒸しあがったもち米は、粘り気が強くて、蒸米放冷機から清酒の掛け米運搬に使うエアシュウターで運べません。そこで江戸時代さながらに、甑から掘り出した蒸米に麹をまぶしてから放冷し、人間がタンクの上から放り込むという作業を半日かけてやっています。(大手では蒸米を仕込に使う焼酎と一緒に運搬するシステムがあるそうです。)
その為とても重労働なのですが、味醂の仕込みでは清酒の仕込ほど麹造りの原料米吸水、温度管理、ハゼまわりの管理を厳密にやりません。清酒造りの酒母、モロミの醗酵管理のように頭を使う工程もありません。それで現場は打合せの後は蔵人に任せて杜氏はそれほど気を使わずにすみます。
それでも、毎年異なる原料米の蒸し上がりの硬軟の加減を決めるのは重要なポイントです。味醂は原料もち米・麹・米焼酎の品質でかなりの部分が決まってくると思います。
仕込んだ味醂モロミは約二か月おいて舟で搾ります。