生酛（生もと）・山廃・菩提酛（菩提もと）に特化した酒蔵
純米みりん、米・芋焼酎も造る

　９月５日に今年最初の酛麹の洗米をして今年の造りを始めました。杉井酒造では十数年来この時期に洗米、麹造りを始め、冷蔵庫の中で、生酛・山廃の酛を立て一か月かけて育てて１０月よりモロミを仕込んでいます。

　年間雇用の蔵人３人と社長、あとシルバーさんで清酒、焼酎、みりんを合計四十数本を仕込むので細く長い仕込計画にしています。この時期はまだ新米がないので、造り始めの米は冷蔵庫で貯蔵しておきます。

　現代の酒造りはほとんど１４日ほどで使う速醸酒母で仕込むので、酒母とモロミは平行して仕込んでいきます。

　昔の生酛の時代は造りの最初に酛だけまとめて造って、数か月の造りの間にそれを順番に使っていったそうです。長くおいても醗酵力が落ちない生酛だからこそできた方法です。

　昔は気温が３０度をくだらない時期の酒母の仕込など考えられませんでしたが、冷蔵庫のおかげでこの時期の酛の仕込もさして問題なくできます。

　酒造りは来年４月までの長丁場になるので、まずは少しずつ取り組んでいきます。