菩提酛の仕込をやっています3
菩提酛の仕込は、速醸酛のなかった昔の人にとって、真冬でなくても仕込む事ができ、生もとより作業が楽で、育成期間が短くすむ利点がありました。
速醸酒母が発明された現代で菩提もとを造る意味はあるでしょうか? やはり速醸酒母には無い、味の複雑さや深みはあるように感じます。しかし、それを求めるなら、より危険の少ない生もと・山廃もとがあります。
微妙な点ですが、菩提もとの酒は生もと・山廃もとの酒より味わいが少し軽い気がします。
また穀物より自然の微生物の力を使って造る酒の原型であることに一番の魅力があると思います。
2016年の菩提もとは3月15日に添え仕込みをおこないました。「そやし水」「菩提もと」の育成は順調で、例年より酒母での酸度はやや高めの9.4と生もとに近い値になりました。静岡の酒米「誉富士」の70%精米を使ったモロミを立てました。仕込5日目くらいで泡がだいぶ高くなりました。純粋培養酵母は添加しないので、どんな酵母が育っているのかは解りません。たぶん蔵内で一番多く使っている醸造協会701号と野生酵母の混合だと思います。
モロミはまだ序盤ですが、立ち上がりは順調で力強く醗酵してくれると思います。
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